コラム記事

交通事故被害者が死亡した場合、葬儀費用はどうなるのか

2019.06.11 死亡事故費用

交通事故の被害者が死亡した時、加害者に対し、損害賠償請求の一環として葬儀費用を請求することができます。
葬儀費用としてどのようなものがあるのか、その範囲や金額等についてご説明します。

交通死亡事故の葬儀費用の範囲について

葬儀費用として請求できる主な費目は、以下のとおりとなっています。
 

・葬儀業者に支払った費用         
・花代、弔問客に提供する食事代
・お布施、読経、戒名料
・火葬費用
・墓地費用
・墓石代

  

 

  

  

交通死亡事故の葬儀費用は、どこまで払ってもらえるのか

葬儀費用には損害として認められる基準額があります。この基準額は時代によって微増していますが、現在(平成14年1月1日以降)の、東京地裁基準(通称「赤い本」)では、成年・未成年を問わず原則として150万円が認められています。
但し、実際に支出した額が、この金額を下回る場合には、実際に支出した額までしか認められません。

 
他方で、実際に支出した金額が150万円を上回る場合であっても、損害として認められるのは原則として150万円とされています。これは、被害者や遺族の社会的地位に応じて葬儀の規模が異なる場合でも、死亡事故の被害者という点では同じであることから、損害として認められる金額が個人によって異なることは公平に反するという点や、人はいずれ死亡し、いずれにしても葬儀関係費用がかかるものなので、全額を認めるのは妥当ではないけれども、他方で、将来かかる費用を現在負担させられるいわれもないことから、このようなバランスを考慮して、150万円程度が認められている等の理由が挙げられます。

 
しかし、この基準額を超える葬儀費用が認められるケースもありますので、領収書はしっかりと保管をしておくことが大切となり、また、被害者の生前の行いや社会的地位などから一般的な規模や内容の葬儀では足りない旨などの具体的な主張立証をする必要がでてきます。

葬儀費用とは別に賠償の対象になるもの・ならないものについて

遺体運搬料は葬儀費用の基準額には含まれませんので、遺体運搬料がかかった時は、別途、基準額に上乗せする形で遺体運搬料を請求することができる場合もあります。

 
理由としては、もし被害者が遠方で死亡した場合、約50万円程度の遺体運搬料がかかるケースもあることから、遺体運搬料を基準額に含めてしまうと、被害者(の法定相続人)に酷な結果となってしまうのを避けるためです。
また、香典返しについては、香典という贈与を受けたものに対するお返しと考えられているため、損害とは認められず、葬儀費用には含まれません。そのため、損害賠償請求の対象とはなりません。
香典に関しては、喪主がその全額を取得するものとされており、損益相殺の対象とはならないため、葬儀費用から差し引かれることはありません。
また、死亡した方の遺族以外の関係者の葬儀参列のための交通費、引出物代や四十九日忌を超える法要費等についても、損害賠償請求の対象とはなりません。

葬儀関係費用の請求方法について

葬儀費用の請求方法として、以下の方法があります。

 
① 死者の損害とした上で、相続人が相続分に応じて相続したとして請求する方法
② 相続人が相続分に応じて負担したとして、固有の損害として請求する方法
③ 葬儀費用を支出した者の固有の損害として請求する方法

 
交通事故の死亡事案における裁判実務では、実際に葬儀関係費用を支出した親族が、固有の損害として請求するという構成が採られることが多い状況にあります。

葬儀費用の支払い基準について

葬儀費用は、まず喪主がその全額を支出して葬儀や納骨を済ませ、その後、交通事故の加害者に対して損害賠償請求をするときに請求することになります。
交通事故の保険に加入している場合、葬儀費用には3つの支払い基準があります。それは、自賠責基準任意基準弁護士基準の3つとなります。
自賠責保険の基準では、葬儀費用は原則60万円までとなっています。

 
任意保険の基準は、各保険会社が個々に設定しているため保険会社によって違いがありますが、多くの場合、弁護士基準より低いことが多いです。また弁護士基準になると、150万円近い金額まで支払われるケースもあります。

 
これら3つの基準を比較してみると葬儀費用が弁護士の介入によって上がる可能性が高いといえます。シーライト藤沢法律事務所でも、こうした問題でお悩みの方のお力になれるよう、交通事故に強い弁護士が丁寧に対応いたします。

 
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