コラム記事

肩甲骨骨折で認められる等級と認定のポイント

2020.11.19 その他のお怪我上肢(手・腕・肩)後遺障害

肩甲骨骨折は比較的まれな外傷とされていますが、その多くは複数の部位の損傷を併発します。肩甲骨はまわりを筋組織に包まれているので、骨折しても比較的安定性が保たれます。また血流が豊富で骨もつきやすいため、骨折例の多くはギプスで固定して骨がつながるのを待つ療法などで治療しますが、骨折部位や骨折のずれ(転位)の有無で引き起こされる症状は異なります。

肩甲骨骨折における部位別頻度としては、肩甲骨体部肩甲骨頸部が多いようです。その他、骨折部位により関節窩(かんせつか)骨折、肩甲棘(けんこうきょく)骨折、肩峰骨折、鳥口突起骨折との診断があります。

このページでは、交通事故で肩甲骨の骨折をしたときに認められる後遺障害等級とその認定のポイントについてご説明します。

   

【症状別】肩甲骨骨折の後遺障害等級

【参考】自賠責保険(共済)における後遺障害の等級と保険金額(一般財団法人 自賠責保険・共済紛争処理機構HP)

症状1:骨折部分が変形癒合になってしまった

体幹骨の変形障害として12級5号が認定される可能性があります。

【認定のポイント】
裸体となったときに肩甲骨の変形がはっきりと分かる程度であること。
レントゲン画像によって確認できる程度の変形では後遺認定障害等級は認定されないので、注意が必要です。

症状2:肩関節の可動域に制限がある

程度によって、認定される等級が異なります。

8級6号 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの(全く動かない状態
10級10号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
関節の可動域が障害を受けていない側の2分の1以下に制限されている状態
12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
関節の可動域が障害を受けていない側の4分の3以下に制限されている状態

【認定のポイント】
可動域の測定は、医師に正確な測定を実施してもらう他動値)必要があります。
ご自身で関節を動かした際の数値(自動値)は有効ではありません。

症状3:骨折部位に痛みがある

骨折部位に痛みなどの神経症状が残った場合、以下の等級に認定される可能性があります。

12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号 局部に神経症状を残すもの

【認定のポイント】
<12級13号>
症状が、病院での検査や診察、レントゲンやMRIなどの検査結果等から導き出される医師の見解と合致することが証明できるか
<14級9号>
症状が、病院の検査やレントゲンやMRIなどの画像所見からは客観的に捉えることはできないが、受傷時の状態や治療の経過が、連続・一貫していて、症状があることが医学的に推定されるか

適正な後遺障害等級の認定を受けるために

交通事故による肩甲骨骨折の症状からみた後遺障害等級についてみてきましたが、認定のポイントとなる部分は、客観的な所見や、専門的な知識を要することが多く、ご自身だけで交渉を進めるのは心身ともに膨大な労力がかかります。

シーライト藤沢法律事務所では、2015年の開業以来、1000件以上の交通事故事案に関するお問い合わせをお受けしてきました。交通事故に関する豊富な知識をもとに、被害に遭われた方を的確にサポートできることが当事務所の強みです。

後遺障害認定等級についても、弁護士がアドバイスさせていただくことで、現在の症状にしっかりと見合った等級認定と、妥当な示談金額で解決を導けるように進めていきます。少しでも不安なことやお困りのことがありましたら、お問い合わせください。

実際に当事務所でお受けした肩甲骨骨折の解決事例と相談実績をご紹介します。

肩甲骨骨折の解決事例

肩甲骨および肋骨の変形障害につき併合11級が認定され、相手方の提示よりも1.5倍以上の賠償金を獲得することができた事案

【ご相談内容】
相談者のお父様が自転車の走行中、道路外から車道に進入しようとしてきた自動車に衝突されて発生した事故です。事前認定で11級の後遺障害等級が認定されましたが、相手方損保からの賠償額の提示が妥当か知りたいということでした。      

【サポートの流れ】
後遺障害等級は妥当な等級が認定されていたので、示談交渉がサポートの中心になりました。示談交渉の争点は、逸失利益慰謝料でした。検討の結果、慰謝料部分をしっかり取っていこうと交渉した結果、裁判基準の90%程度まで認めさせることができ、相手方損保が提示した金額より200万円以上増額することができました。  

【解決のポイント】
相手方損保の提示自体が数百万円以上でしたが、弁護士が代理して交渉すれば更に数百万円以上増額できるケースは珍しくありません。
なんとなく「まあいいか。こんなものだろう」と示談書にサインをして示談金額を受け取って終了してしまいがちですが、提示された示談金額が妥当か、交通事故に詳しい弁護士に相談することで、妥当な示談金額で解決することができた好例といえます。 

※詳細ページはこちらから   

相談実績

バイク事故で胸椎圧迫骨折のほか、肩甲骨、肋骨、胸骨等多数骨折による今後の治療に関するご相談(2015年5月)

【相談内容】
バイク事故により胸椎圧迫骨折等の傷害を負われ、賠償の側面からみた今後必要となる検査や治療、通院先選びなどについてどのように対処すればよいでしょうか。

【弁護士からのアドバイス】
交通事故による治療を受けるにあたって、治療先病院の選択は重要で難しい問題です。究極のベストは、交通事故外傷の治療についての専門性が高く、親身になって面倒を見てくれ、相手損保から盾になって守ってくれ、後遺症を残してしまった場合は、内容の充実した後遺障害診断書の作成や意見書の作成にご協力いただける医師ということになります。

しかし、数百件の交通事故案件を見てきた立場で申し上げますと、そのような医師は100人に1人いればいい方です。しかも、そのような医師はほかの患者さんにも分け隔てなく親身なので、患者さんからも大変人気があり、診察までの待ち時間がとても長くなってしまいます。症状が固定するまではきちんと通院できなければなりません。弊所が持っている病院や医師の情報をご利用いただくにあたっても、まずは「通えそうな病院」からという視点で取捨選択していかざるを得ないところです。

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