コラム記事

死亡事故の慰謝料の相場とその計算方法

2018.09.07 死亡事故慰謝料

交通事故死、死亡事故数と死亡慰謝料

警察庁の統計によれば、昭和40年代の「交通戦争」と呼ばれる過去最悪の交通事故死亡者数を記録し、16765人の方が交通事故が原因で命を落としました。平成に入ってからは、平成29年には3694人で、平成28年に比べて210人減ったそうです(「平成29年中の交通事故死者数について」警察庁 平成30年1月4日同庁ホームページ公開)。

交通戦争時に比べると、発生件数は4分の1程度に減少したものの、残されたご遺族の方の精神的なショックは変わりがありません。また、お亡くなりになった方が社会人であれば、生活にかかわる金銭的な問題も発生します。とりわけ、交通事故死にともなう死亡慰謝料がご遺族にとっては気になるというのが、偽らざる心境ではないでしょうか。

ご葬儀費用、死亡慰謝料、死亡逸失利益

ご遺族が交通事故の加害者または相手方保険会社に対して請求できる費目としては、死亡慰謝料の他に、ご葬儀費用、死亡逸失利益などもあります。葬儀費用には、戒名、読経料、葬儀社への支払いなどが含まれ、葬儀やその後の法要(四十九日法要費用等)、供養を執り行うために要する費用、仏壇・仏具購入費・墓碑建立費は、葬儀費として相当額が請求できます。
自賠責保険では60万円までとされていますが、裁判基準では原則として150万円まで認められます。ただし、実際の費用が下回る場合は、実際の費用までが限度とされています。
なお、香典返しにかかった費用は請求できません。詳細は弁護士までお尋ねください。

死亡慰謝料とは何か

いわゆる死亡慰謝料を考えるにあたり、慰謝料とは何かを考える必要があります。まず、慰謝料とは、「精神的被害に対する賠償」です。損害賠償について定めた民法第709条は、「故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と記されています。
続く民法第710条は「前条の規定により損害賠償の責任を負うものは、財産以外の損害に対してもその賠償をしなければいけない」と定めています。自動車や自転車などの物体が壊れる物的損害は709条が担当し、怪我などの精神的損害は709条と710条が担当します。
では、交通事故の被害者がお亡くなりになった場合(死亡事故)などのように遺族が精神的損害を被った際には、どのような対応が可能なのでしょうか。

近親者に対する損害賠償について定めた民法第711条は「他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない」と規定します。いわゆる遺族が受け取る死亡慰謝料は本条が法的根拠です。

死亡慰謝料と相続の違い

仮に交通事故でお亡くなりになった方が、一家の大黒柱のご主人だとします。相続だと奥様とお子様が相続の範囲であり(民法第890条など)、遺言などがなければ通常は、奥様とお子様がいれば、父母は相続人となることはありません。
これに対して、交通事故などの死亡慰謝料に「父母」が含まれています。これは「自己とその者との間の親族関係を侵害されたことを理由として、損害賠償を請求することができる」(「我妻栄ほか 『我妻・有泉コンメンタール民法』 日本評論社 2018年 1507頁」)ためだとされています。相続が「財産相続」なのに対して、慰謝料は精神的苦痛・損害に対する賠償であることがわかる制度になっています。

自賠責基準、弁護士基準の死亡慰謝料の相場

死亡本人の慰謝料は、自賠責基準で350万円です。弁護士が事件を担当した場合のいわゆる裁判基準は、死亡慰謝料は交通事故が原因でお亡くなりになった方が「一家の支柱ならば、慰謝料の総額が2700万円程度~」、「母親・配偶者ならば2400万円程度~、その他は2000万円程度~」が相場とされますが、事案により異なりますので、詳しくは弁護士が詳しくはお話をお伺いしてから、ご相談者にお伝えします。

裁判基準で死亡慰謝料を請求する方法

ご遺族の方は、自賠責保険会社へ手続をとることで、特に法律上の問題がなければ同社から自賠責基準の350万円の支払意を受けられます。加えて、加害者が任意保険会社に加入していれば任意保険会社基準で死亡慰謝料が支払われます。
一方で、ご遺族が弁護士に依頼すると、弁護士は任意保険会社に対して裁判基準で交渉を行います。一般的な裁判基準は前述したとおり、交通事故が原因でお亡くなりになった方が「一家の支柱ならば、慰謝料の総額が2700万円程度~」とされていますので、煩雑な資料取集、ご本人で裁判を行うことなどを考慮すると、まずは弁護士に相談するのがよいかと思います。

死亡慰謝料はシーライト藤沢法律事務所にご相談ください

弁護士法人シーライト藤沢法律事務所では、神奈川県藤沢市を中心に年間200件以上の交通事故のご相談を承っています。藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町の湘南地域にお住まいの方で交通事故の被害でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

CONTACT

交通事故に関するご相談は
初回無料です。
まずはお気軽に
お問い合わせください。

0466-53-9340

[受付時間] 平日9:00-19:00
[相談時間] 平日9:00-21:00

ご相談・お問い合わせ