頸部痛について14級9号及び腰部痛について14級9号が認定され,併合して14級を獲得した事例
依頼者:30代女性/兼業主婦
後遺障害内容:頸髄挫傷,腰椎捻挫,両手指の痺れ
後遺障害等級:頸部痛について14級9号,腰部痛について14級9号,両者併合して14級を獲得
賠償項目 |
ご相談前 | 獲得額 |
増加額 |
入通院慰謝料 | 治療中に受任 | 102万円(裁判基準) | 102万円 |
休業損害 | 治療中に受任 | 90万円 | 90万円 |
後遺障害慰謝料 | 治療中に受任 | 110万円(裁判基準) | 110万円 |
後遺障害逸失利益 | 治療中に受任 | 78万円(裁判基準) | 78万円 |
合計額 | 治療中に受任 | 380万円 | 380万円 |
1 相談・依頼のきっかけ
追突事故に遭われ,治療を続けているものの治る気配がなく不安に思われたとのことでご相談いただきました。
2 後遺障害等級申請に向けてのフォロー
首と腰を中心に,とにかくあちこちが痛いとのことで,後遺症が残ってしまう可能性が高いと予想されましたので,後遺障害等級の獲得を目指してサポートさせていただくこととなりました。
治療中に種々相談に乗りつつ,ご症状から診察にあたって医師に伝えるべきことをお話しし,症状固定直前にもご症状から後遺障害診断書作成を依頼するにあたって医師にお伝えすべきポイントをお話ししました。
その後,後遺障害診断書及びその他必要な書類をとりつけ,カルテを分析して修正個所を医師と協議致しました。修正には応じていただけませんでしたが,内容的には十分と考えられたため,自賠責保険に対し申請致しました。
3 後遺障害等級の獲得
結果,頸部痛及び腰部痛それぞれに対し14級9号が認定され,併合14級を獲得しました。
4 弁護士関与の結果
その後交渉を開始しましたが,当初相手方保険会社からの提示が極めて低いものであったため,訴訟も辞さない態度で強く交渉しました。
そうしたところ,最終的には通院関係費を除き,自賠責保険金を含め380万円で示談が成立致しました。全般的に裁判基準でかつ,休業損害も高い水準です。
※詳しくは冒頭の表をご覧ください。
5 弁護士の所感・解決のポイント
(1)症状固定にあたってのポイント
治療中からサポートに入らせていただいたことや通院先の選択が功を奏した事例です。治療中,痛みの改善傾向がないにもかかわらず,漫然と通院し,漫然と症状固定をしてしまうと,結果として強い痛みが残ってしまった場合,適切な補償を受けられない可能性が高いです。
(2)被害者請求制度の利用
さらに,自賠責保険への等級認定の申請には,相手方保険会社による事前認定と,被害者による被害者請求という2ルートがあるのですが,事前認定は,相手方保険会社が添付する資料の内容いかんによっては極めて不利な判定をされる可能性があります。
いったん等級が非該当となってしまった場合,異議申し立てでこの結論を覆すのは困難です。不本意な結果をもたらさないようにするためには,自賠責実務と医療の知識を持つ弁護士に治療中から相談し,自賠責保険への申請は被害者請求によるべきでしょう。
そういった意味で,本件は,治療中からサポートにあたらせていただいたことが良い結論を導いた好例といえます。