相談実績

2017年3月

1.死亡事案の相手損保提示金額に対するご相談

〇 ご相談内容
専業主婦の母親(70歳近く)が横断歩道のない道路を横断しようとしたところ,自動車にはねられ,当日に亡くなった。相手損保は,示談金額を提示してきているが,死亡逸失利益が低すぎて納得できない。
以上のようなご相談をお受けしました。
〇 弁護士からのアドバイス
死亡による逸失利益は,一般に,
①(事故前年の年収)×②(1‐生活費控除率)×③(就労可能年数)‐④(中間利息)
で算定されます。①は,専業主婦の方であっても,死亡年の賃金センサス女性全年齢・学歴の平均を当てはめるとされています。年によっても変わりますが,大体350万円程度が専業主婦の年収になります。また,③については,67歳を過ぎている方又は(67歳までの年数)<(性別平均余命の1/2)の方の場合,性別平均余命の1/2を当てはめます。
さらに,国民年金・老齢厚生年金なども,①の基礎収入に算定され,その期間は,性別平均余命までとされます。
②の生活費控除率とは,「事故に基づく死亡により生活費を支払わなくなった分,逸失利益から差し引く」というものであり,実務上は,亡くなった方の属性(一家の支柱,男性,女性等)によって類型化されています。本件の被害者様の場合,主婦でしたので,生活費控除率は30%が妥当と考えられます。
以上のような実務上のご説明を差し上げ,相手損保提示額よりも一定程度増額見込みとの見通しを丁寧にご説明いたしました。
★弊所では,お聞きした情報を元に,出来る限り明瞭・詳細・迅速な見通しをご説明差し上げることに努めております。


 

2.事故後,外傷性くも膜下出血により意識障害があった事案に関するご相談

〇 ご相談内容
当方がT字路上の横断歩道を自転車で走行中,右方から自動車が一時停止をせずにT字路に進入してきたため,衝突。最寄りの病院へ救急搬送された。左肩脱臼等のほか,外傷性くも膜下出血により数日間,妻と喋った記憶が無いなどの意識障害が生じた。脳外科へは,月1回,2か月ほど通院したが,「これからは通院しなくてよい」と医師に言われ,通院が中断している。しかし,脳波異常を検出され,「てんかんが発症するおそれがある」と診断もされており,脳の後遺症が心配である。
以上のようなご相談をお受けしました。
〇 弁護士からのアドバイス
この相談者様には,外傷性てんかんによる後遺障害が残存する可能性が考えられました。外傷性てんかんとは,脳への打撲状態,すなわち脳挫傷が生じた後,脳の実質部に残った瘢痕部から発せられる異常な電気信号によって正常な脳神経細胞も異常に同調して起きる状態をいいます。
後遺障害等級における外傷性てんかんは,発作の型・発生回数に着目して,5級2号,7級4号,9級10号,12級13号に分類評価されています。例えば,てんかん発作の発現はないものの,脳波上に明らかにてんかん性棘波を認めるものは,12級13号に認定されます。
⇒しかし,交通事故に基づくほとんどの傷病にいえますが,受傷後最低6ヶ月程度の経過観察をしないと,後遺障害として残存するか否かの判定は困難です。
⇒そこで,脳外科での治療を中止せずに,月1・2回程度でも経過観察を継続するようアドバイス致しました。これと同時に,通院先の担当医とよくコミュニケーションを取り,将来記載してもらうこととなりうる後遺障害診断書に,担当医が適切な記載をしてもらえるかどうか見極め,難しいようであれば,専門医などを紹介してもらうようアドバイス致しました。
またよくお話しを聞くと,注意力が散漫になる,歩行がしにくくなった,よだれを垂らす,計算がしにくくなったなどの相談者様の事故前には無かったことが事故後に起こるようになったとのことでした。
⇒これらと,頭部外傷によるくも膜下出血が生じていたこと,事故後入院時に健忘・軽度意識障害と思わしき症状があることなどから,高次脳機能障害の可能性が考えられました。
⇒このようなことから,症状固定後の高次脳機能障害による後遺障害等級獲得のためには,ご同行していた相談者様の奥様による日常生活の経過観察が重要と考え,自賠責提出を見据えた「日常生活状況報告表」を奥様にお渡ししました。
★弊所は,医学的知識に基づき,事故・受傷初期段階から自賠責後遺障害等級の認定を見据えたアドバイスが可能であり,このような先手,先手の弁護活動を心がけております。


 

3.過失割合に関するご相談

〇 ご相談内容
片側一車線の道路を四輪車で進行中,右方T字路から相手車が当方車線に合流し,センターライン付近で停車した。当方が相手車の後方で停車して相手車の合流待ちをしていたところ,相手車が発信しないので,当方は,相手車を追い越して進行しようとした。そうすると,相手車が急に発信し,当方車の右後ろに衝突してきた。当方と同乗者が頸椎捻挫を負った。 過失割合について知りたい。本件事故から半月ほどしか経っておらず,今後どのようになっていくのか知りたい。
以上のようなご相談をお受けしました。
〇 弁護士からのアドバイス
まず,過失割合については,実務上,東京地裁民事交通訴訟研究会 編『民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準』(別冊判例タイムズ38号,平成26年)が最重要視されています。一般に,「判タ」とか「判タ【120】の事故」などと使われております。本件事故について,判タを検討すると,最も類似する図としては判タ【123】ですが,事故態様としては追突に近いものともいえ,いわゆる非典型事故であることが分かりました。
⇒そこで,非典型事例なので100:0の過失割合になる可能性も0ではないが,当方:相手方=90:10の過失割合が基本であると,現時点での見解をご説明いたしました。
⇒相談者様は,同乗者様と共にご相談にいらっしゃっていましたが,相談者様に僅かでも過失割合がある場合,相談者様と同乗者様との間で利益相反状況が生じ,当所が受任できない又は受任後辞任しなければならない事態が生ずることを丁寧にご説明いたしました。
つまり,相談者様に僅かでも過失がある場合,同乗者様としては,相手方のみならず,運転者である相談者様にも損害賠償請求ができる理屈が立ちます。これは,「相談者様に損害賠償請求すれば,相談者様の利益に合致せず,かつ,請求しなければ,同乗者様の利益に合致しない。」という板挟みの状況になってしまうので,弁護士職務基本規程28条3号で禁止されています。
⇒これらをしっかりと説明した上で,利益相反状況をできるだけ回避する観点から,同乗者様は別の法律事務所にご相談に行かれることをアドバイス致しました。


 

4.相手損保の治療費不払いに関するご相談

〇 ご相談内容
狭い生活道路を歩行中,相手車が10~15km/hくらいのスピードで当方に突っ込んできた。このままでは衝突すると思い,飛び避けたところ,相手車に衝突はしなかったが,避けて足を着いた際に足を捻挫した。治療のため病院に通院しようとしたところ,相手損保は,「衝突がないため。こちらの責任ではない。」と言い,治療費を支払わない。現在休業中であり,治療費を支払ってもらわないと,通院できない。
以上のようなご相談をお受けしました。
〇 弁護士からのアドバイス
まず,相手の責任についてですが,衝突しなくとも,相談者様に回避を余儀なくさせたわけですから,不法行為上の責任は免れません(民法709条,自動車損害賠償保障法3条)。そこで,相手損保には,損害賠償として治療費の支払いをしてもらうことは法的に当然のことです。しかし,現実には,支払ってもらえていないので,対策を考える必要がありました。
⇒まず,相談者様のお身体の観点からも,後々の後遺障害等級申請の観点からも,治療を続けていただく必要がありました。そこで,健康保険を利用しての通院をアドバイス致しました。
⇒さらに,本来,相手損保には責任を認めてもらい,治療費を十全に支払ってもらう必要があります。そこで,上記と並行して,速やかに当所が受任し,治療費支払いに関する示談交渉を担当させて頂くことになりました。
※なお,本件の相談者様には当てはまりませんでしたが,本件事故が勤務中ないし通勤・退勤中のものであり,労災保険が適用された場合,そこから治療費が支払われることができます。


 

5.休業損害に関するご相談

〇 ご相談内容
勤務中の運転時,右折待ちをして停車中,相手車に追突された。頸椎捻挫,腰椎捻挫,胸椎捻挫と診断された。当方の勤務では,自分の売上が一定以上に達した場合には,当該売上を超える部分は歩合給としてボーナスに反映される。しかし,休業した場合,売上を上げることができないため,上記ボーナスが休業損害として相手損保から支払われるか心配である。
以上のようなご相談をお受けしました。
〇 弁護士からのアドバイス
休業損害は,交通事故の受傷によって休業したことに対する現実の収入減について賠償されます。休業に伴う賞与(ボーナス)の減額ないし不支給,昇給ないし昇格遅延による損害についても,賠償されます。
賞与の減額ないし不支給については,「賞与減額証明書」という書式をもちいて立証するのが望ましいです。この書式は,インターネット上で入手することが可能ですが,簡単に説明すると,
①平常に勤務していた場合の支給金額および支給計算式
②欠勤により減額した額及び減額計算式
の各記入欄があり,①-②によって,減額ないし不支給を証明するというものです。これは,被害者様の勤務先に記入してもらう体裁となっています。
⇒この賞与減額証明書を相談者様のお勤め先に書いて頂き,相手損保に提出すれば,当該賞与減額部分も支払われる可能性が高い。このようにアドバイス致しました。

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