肩関節周囲炎

 

 

1 肩関節周囲炎とは?

交通事故による受傷後,肩の周辺に痛みを感じ,医師から五十肩と指摘されることがあります。この五十肩と呼ばれる疾患のうち,病態や原因の特定できない疾患について,肩関節周囲炎と診断されます。

 

2 病態

典型的な肩関節周囲炎(五十肩)は,凍結進行期,凍結期,解凍期の3つの時期を経て,1年程度の治療で治癒すると言われております。

当初は疼痛から始まり,動くと痛いため肩を動かさなくなり,安静時にも夜間にも痛みが出始め,徐々に肩関節が拘縮していきます。拘縮が完成し肩関節の可動域制限が顕著になると,痛みが軽減していきます。その後,解凍期には徐々に拘縮がとれ,可動域制限がなくなっていき,治癒すると考えられております。

 

3 治療方法・検査

一般的な治療方法は,保存療法として,疼痛が強い時期には三角巾を使った上肢の安静と消炎鎮痛薬の服用,ヒアルロン酸の関節注入などになります。そして,疼痛が軽減し,可動域制限が主体の凍結期に入ったところでリハビリ中心の治療となります。

検査としては,レントゲン検査,肩関節造影検査,MRI検査などが挙げられます。

 

4 交通事故による後遺障害としての肩関節周囲炎

原因を特定できる可能性があるにもかかわらず,肩関節周囲炎(五十肩)と診断されてしまうケースもあります。腱板損傷等,肩関節周囲炎以外の疾患の可能性がないか,肩関節の専門医などにかかり,原因特定に向けた治療も視野に入れるべきでしょう。検査の結果,器質的損傷等が見つかって原因が特定できたものの,後遺症が残ってしまった場合は,「肩の後遺症として」後遺障害等級が認定される可能性があります。

反対に,結果として,原因が特定できず,肩関節周囲炎(五十肩)との診断が確定してしまう場合は,「肩の後遺症として」後遺障害等級を獲得することは極めて困難です。なぜなら,上記のとおり,一般的に肩関節周囲炎(五十肩)は治ると考えられているからです。

ただし,第3ないし第5頸椎(C3~C5)の神経支配領域が肩周辺であるため,頸椎頸椎捻挫(いわゆるむちうち)の神経症状が肩に発生することはあります。そのため,頸椎捻挫に伴う肩関節周囲炎は,頸椎捻挫(むち打ち)での後遺障害等級(多くの場合は14級)が認定される可能性には影響を与えるといえます。

 

 
0466-53-9340
メールでのお問い合わせはこちらご相談の流れはこちら