バレリュー症候群について

 

バレリュー症候群の症状

交通事故により首を痛め,いわゆるむちうちとなった場合,その周辺疾患として,バレリュー症候群(バレリュー症状)が出現することがあります。

症状は,頭痛,頭が重い,めまい,耳鳴り,聴力低下,眼精疲労,視力低下,流涙,首の違和感,摩擦音,昜疲労性,血圧低下など多彩です。
これら症状は,受傷後2ないし4週間ほど経過してから現れることが多いようです。

一言でいうと自律神経失調症の一種です。

受傷直後は首が痛い程度だったのに,時間の経過とともに症状が良くなるどころか,かえって上記のような症状が出てきて症状が悪化したという場合は,バレリュー症候群が疑われます。

バレリュー症候群は,1925年にフランスの神経学者バレ,1928年にその門下生のリューが,頸椎症にみられる上記一連の症状を,椎骨神経(後部頚交感神経)の過緊張に基づく椎骨動脈のけいれんと考え,後部頚交感神経症候群として発表したことに由来します。

その後,バレリュー症候群は,椎骨神経(頸部交感神経)の刺激常態によって生じ,頭痛,めまい,耳鳴り,視障害,嗄声(させい),首の違和感,摩擦音,易疲労性,血圧低下などの症状を主体とするものと定義されておりますが,発生機序の定説は確立しておりません。

自律神経は,無意識に体の機能をコントロールする神経です。呼吸や血液の循環,消化なども自立神経によってコントロールされております。
緊張したとき,いくら落ち着こうとしても心臓が早く脈打つことがあると思いますが,これは自律神経の働きによります。
自律神経には,交感神経と副交感神経がありますが,このうちの交感神経は頚椎の前側の左右両側面を走行しており,頚椎からつながっている神経に影響を及ぼします。

そのため,交通事故で頸部に傷害を負った場合,交感神経が影響を受けることはありうることです。

 

バレリュー症候群の治療

交感神経の異常が原因と考えられていることからもわかるとおり,バレリュー症候群の治療方法は,交感神経の緊張状態を緩和することによって,症状を和らげることが期待できます。

具体的には,頚部交感神経ブロック(星状神経節ブロック)注射が中心的な治療となります。
これらの治療は,麻酔科,ペインクリニック,神経内科,心療内科等が専門の科となります。

整形外科ではバレリュー症候群に関する適切な診断や治療を受けられない恐れがありますので,場合によっては自己判断で,麻酔科,ペインクリニック,神経内科,心療内科等を受診した方が良いでしょう。

 

バレリュー症候群の後遺障害等級認定

バレリュー症候群が残存し,後遺症と診断された場合,バレリュー症候群のみでは客観的な所見が乏しくならざるをえず,その中心的所見は自覚症状です。

よって,後遺障害等級としては,通常合併する頸部痛で14級が認定されるかどうかということになる場合がほとんどでしょう。

12級を獲得するには画像所見が必要ですが,交感神経の異常はCTを撮ってもMRIを撮っても分からないため,形式的判断しかしない自賠責保険では12級の獲得はおよそ不可能と言わざるを得ません。

バレリュー症候群で12級獲得を目指す場合は,極めて困難を伴いますが,訴訟を提起し,裁判所に納得してもらえるような立証をしていくほかないでしょう。

 
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