交通事故で積載物が破損してしまった場合はどこまで請求可能か

交通事故の物的損害と人的損害

交通事故の被害にあわれると,まずはお怪我があるかどうかが気になるところです。お怪我のように「人体に関する損害」を人損といいます。一方で,お車やバイク,自転車などの物が物理的に壊れたり,傷がついたりして経済的な価値や役割をもたないなど「物に関する損害」という意味で物損といいます。

物損の種類

物損には,修理費,登録手続関係費,代車費用,車両引き上げ費用,レッカー代,保管料,見積もり費用,配車料,車両処分費,積み荷損害,物損慰謝料,ペット損害などがあります。

積み荷・積載品損害の具体例

本記事では,交通事故で積載物が破損してしまった場合,どこまで請求可能かについて検討していきます。
まず,業務について過去の事例を見てみましょう。
①業務で物品や商品を配送中に交通事故が原因で,積み荷が壊れたため,積み荷積み替え費用,応援車料,積み荷荷下ろし費用,現場残処理費用,全量廃棄処分費用が認められた事案(名古屋地判昭和63年9月30日 交民21巻5号1010頁)。
②ノートパソコン代(23万円で購入),ハードディスクのデータ修理代11万円余り,コンパクトディスク代2万円が認められた事案(東京地判平成17年10月27日 交民38巻5号1455頁)。
③積み荷のエアコンが荷台で激しく動き再び販売ルートにのせるには,解体作業,検査を必要とし解体費,検査費用が,処分費用を上回る場合に処分費を損害と認めた事案(大阪地判平成24年3月23日 自保ジ1879号101頁)。
④トラックに積んでいたカップ麺の外箱が荷崩れし,納品ができないので,積荷の買取りを余儀なくされた事案では,カップ麺という積荷の性質を考慮し,カップ麺の箱が大丈夫でも中身のカップ麺がこなごなに壊れてる可能性もあることから,カップ麺の買取り費用と廃棄処分費を認めた(大阪地判平成28年4月26日 自保ジ1979号148頁)などがあります。
業務以外の私用でも,携帯電話やパソコン,外付けのカーナビ,洋服,かぶっているヘルメットが壊れた事例などで,積み荷損害を請求することは可能です。もっとも,実際に回収が可能かどうかは,個々の事案で異なりますので,お気軽に弁護士にご相談下さい。

積荷,携行品,車載品の損害認定方法および減価償却

保険会社との実際の交渉においては,その物品の同種品の市場価格を参考数値として、購入時期から減価償却した金額を参考額として交渉されることが多いです。
なお,減価償却の割合や計算方法については,各加害者側保険会社によって異なります。他方で,仮に裁判をした場合には,中古市場価格などを用いる場合もあり,金額の算定にあたって統一されたルールがあるわけではありません。
同種・同等・同程度の物品の中古市場における時価額か、時計などで修理費の方が安い場合はその修理費を請求できます。同種品の新品の市場価格について、購入時期から減価償却した金額を参考額として交渉されることが多いです。

積載品,積荷の請求交渉

保険会社より「積載物が積載されていたことを証明してほしい」,「事故によりこわれたことが確認できる証拠をだしてほしい」などの確認を求められることがしばしばあります。
このような事態を避けるには,被害時の車内や積み荷の写真を撮影するだけでなく,損害金額の算定のために,物品の購入時期とその額,実際に破損した所有物品の状況等を立証していく必要があります。物品の写真画像や購入した時期と額が分かる資料(領収証等)を集めていく必要がある点に注意が必要です。証拠が多ければ多いほど交渉は有利になります。

積荷損害の賠償請求ができる範囲

交通事故の積荷損害など不法行為による損害賠償が認められる範囲には,一定の制限があり,無制限に認められるわけではありません。損害賠償の範囲について定めた民法第416条は「(中略)通常生ずべき損害の賠償をさせることを目的とする」と規定しています。もともと民法第416条は,契約を守らないなど債務不履行を想定していますが,裁判所は交通事故などの不法行為による損害賠償であっても,本条の適用を認めています(最判昭和48年6月7日民集27巻6号681頁)
ここから,積み荷損害,携行品損害,積載品損害についても,「一般人の社会通念から予見できる損害である」範囲内で損害が認定されます。
また,物品が壊れたという結果の原因が「交通事故」によるものでなければなりません。このことを法律の専門用語で,相当因果関係といいます。原因と結果の間に相当の関係性がないと,損害賠償が認められないのです。

積み荷損害,携行品損害,積載品損害はシーライト藤沢法律事務所にご相談下さい

弁護士法人シーライト藤沢法律事務所では,神奈川県藤沢市を中心に年間200件以上の交通事故のご相談を承っております。藤沢市,茅ヶ崎市,寒川町の湘南地域にお住まいの方で交通事故の被害でお悩みの方はお気軽にご相談下さい。

 
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