交通事故Q&A

  • 交通事故被害者の方から寄せられるよくある質問に対する回答を弁護士が紹介しています。

Q、後遺障害等級を取得するには、医師の協力が不可欠であることはよくわかりました。良い医者の基準があれば教えてください。

A、第1に、医療知識と医療技術が高い病院と医師であることです。医師の仕事は、病気やケガを治療することにありますので、これは重要な基準といえます。
 第2に、よい診断書を書いてくれること、または、医学的な知見を踏まえつつも患者の意向も酌んで診断書の修正に応じてくれることも重要です。
 第3に、接骨院への通院を頭から否定しないということも大切です。医師によっては接骨院への通院を全面禁止する方もいます。接骨院の通院を嫌がる医師や病院に通院している場合に、接骨院に行くと相手方保険会社が「病院の先生が行くなと言っているのに、なぜ行ったんですか、接骨院代は出しません」と主張するケースもあります。
医師の対応に疑問や不満があるという場合には、転院を検討すべきか弁護士に相談しましょう。

Q、等級の決定をする人は、どのようなところをチェックしていますか?
詳しく教えてください。

A、等級の決定するのは、自賠責調査事務所です。具体的な方法やチェックリストがあるのかを含めて審査方法や内容はブラックボックスです。ただし、過去の傾向から以下のことがわかります。
 第1に、事故状況と後遺障害の間に医学的な因果関係があること。
 第2に、症状の裏付けとなるMRIやXP(レントゲン)などの画像所見があること。
 第3に、毎月の診断書(医師は毎月診断書を書いて、相手方保険会社に送ります)に記載されている「傷病名」に一貫性があること。
 第4に、事故から症状固定日までに、症状が消失することなく続いていること。
 第5に、症状固定時に記載する後遺傷害診断書に、「改善する」、「改善の見込みがある」など後遺傷害等級を取得するのに、不都合な記載がないことです。

Q、インターネットの記事で「XP(レントゲン)をとればMRIまではいらない」と書いてあったのを見たのですが、これは本当ですか?

A、後遺傷害等級の審査は、書面審査主義です。そのため症状の裏付けとなる画像所見を用意する必要があります。XP(レントゲン)では骨折の有無程度の情報しかわかりませんが、大学病院等にある高精細のMRIであれば椎間板などの軟部組織も含めクリアに写り、より多くの医学的証拠を得ることができます。XP検査だけでなくMRI検査も受けることをお勧めします。

Q、後遺障害等級がとれなかった理由に、何かパターンはあるのでしょうか?

A、第1の要因として「病院・医師」の側面があります。例えば、医師が非協力的で、よい診断書を書いてくれない場合です。また「1か月後に来てください」と言われることがありますが、治療状況として、1か月以上の治療中断期間があると、現在残っている症状は、後遺障害ではないと判断される傾向にあります。そのため「1か月後に来てください」というアドバイスを真に受けることは、賠償法的な側面から考えると極めてリスキーです。その他、病院の検査機器の精度が低い場合も含まれます。

第2の要因として、仕事が忙しくて病院に行っていないなど「被害者」側の問題があります。

第3の要因として相手方保険会社の知識不足など、「相手方保険会社」の側面もあります。例えば相手方保険会社の担当者が「お忙しいでしょうから、病院から来てくださいと言われた時だけ行けばいいですよ」と答えるような場合です。通院から次の通院までが1か月以上空いてしまうと「その痛みは交通事故に起因する痛みかどうか不明である」など、事故との因果関係を疑われてしまいます。

最後に、第1の要因としてよくあるのは診断ミスです。最初に救急搬送された病院で「単なる打撲です。骨折ではありません」と診断されたものの、あまりに痛く違和感があるので、しばらく期間が空いてから別の病院で診てもらったところ、「骨折です」と診断された例もあります。

Q、後遺障害等級の申請をしましたが、等級に不満があります。なんとかできませんか?

A、医学的な証拠を追加取得して異議申し立てをすることができます。専門技術的な論点を数多く含んでいるので、弁護士にお問い合わせ下さい。
※お問い合わせページはこちらです。

Q、事前認定と被害者請求のメリット・デメリットについて教えてください。

A、事前認定のメリットと被害者請求のデメリットは対応関係にあります。事前認定のメリットは、資料収集を相手方保険会社が行うので、被害者の方は手間が省けます。その反面、事前認定は相手方保険会社が行いますので、加害者側に有利な資料が提出されてしまう可能性を排除できません。
被害者請求のメリットは
1.被害者に有利な資料を提出できる
2.不利な事情を打ち消すような有利な資料を提出できる
3.事前認定と比べて審査時間が短い
4.認定されると被害者の指定する銀行口座にお金が振り込まれる
被害者請求のデメリットは、被害者が資料収集することになります。

Q、後遺障害等級の申請をするには、事前認定制度以外にどのような制度がありますか?

A、後遺障害等級の申請方法は、2つあります。1つは先に取り上げた事前認定(加害者請求ともいいます)であり、もうひとつは「被害者請求」です。
被害者請求とは、被害者が自分で必要書類を集めて申請する方法ですので、資料収集に時間がかかる反面、被害者に有利な資料を提出することができます。弁護士に委任した場合には、原則的として弁護士が依頼者を代理して被害者請求を行ないます。

Q、加害者側の保険会社から「事前認定制度を利用したい。それでいいか?」と聞かれました。事前認定とは何ですか?

A、事前認定とは、加害者側の保険会社が、自賠責に後遺障害等級の申請を行ないます。保険会社はあくまでも加害者側を代理しているので、加害者に有利な資料を自賠責に提出する可能性は否定できませんし、加害者側の保険会社がどのような資料を自賠責へ提出したのかを後日確認することができずブラックボックスとなってしまいます。異議申し立てを行う際に、どのような追加資料を取得すべきかを検討することが困難となります。

Q、「治療が終了したので加害者加入の自賠責保険に後遺障害等級の認定申請をする」と言われました。後遺障害等級とは何ですか?

A、後遺障害等級とは、完治せずに後遺症がある場合において、加害者加入の自賠責保険が認定する自動車損害賠償保障法に基づいた等級をいいます。
重要なのは、医師が後遺障害診断書を作成しても、自賠責が後遺障害等級を認定しない限りは、後遺障害と認められないということです。後遺障害等級には最も重い1級から14級までの14段階に細分化されています。
どの後遺障害等級が認定されるかによって、示談金額や損害賠償額が大きく異なります。
顔面の醜状痕などについては面談をしますが、基本的には「書面審査方式」であるため、詳細なMRI画像や優良な診断書を準備することが極めて重要です。

Q、子供が治癒と診断されました。症状固定と治癒は何が違いますか?

A、症状固定は、その症状がこれ以上よくも悪くもならない状態をいいます。これに対して、治癒とは完全に治ることをいいます。治癒の場合、完全に治っているので、自賠責に後遺障害等級申請をする必要はありません(申請できません)。
お子様の場合、成長途上にあるので比較的短期間で完治する傾向にあります。

Q、保険会社が治療費を打ち切りました。また、病院からは「健康保険は使えない」と言われました。どうすればいいでしょうか?

A、交通事故の治療にも健康保険は使うことができます。病院によっては、交通事故の外傷は自由診療だと勘違いしている病院もありますが、健康保険の利用を拒否する法律上の根拠はありません。
健康保険を利用すると、保険点数が低下し収益が悪化するのを嫌う病院も多いです。健康保険が利用可能の病院に転院するのもいいでしょう。個別具体的な論点は、弁護士にご相談ください。

Q、保険会社の担当者が妙にあせっています。なぜ打ち切りを急ぐのですか?

A、保険制度が関係しています。交通事故における我が国の保険制度は、一階部分を自賠責保険が、二階部分を任意保険がカバーするという二階建て構造になっています。
一階部分の自賠責保険がカバーできるのは、傷害部分の治療費総額120万円までであり、120万円を超えた部分は任意保険会社が支払わなくてはなりません。そこで、任意保険会社の担当者は自社の負担(支払い)を少なくしようと、各担当者は打ち切りを急ぐのです。
示談の際には、任意保険会社が自賠責保険会社の分(120万円まで)を一括して示談金を支払います。その後、任意保険会社が自賠責保険会社に対して、立て替え払い分(120万円まで)の支払いを請求します。これを「任意一括払」といいます。
いずれにしても、医師が治癒や症状固定を判断するまでは、通院するべきです。

Q、保険会社はいつごろ治療費打ち切りを打診しますか?

A、多くのむち打ちの場合には「事故後3~6か月」で加害者側の保険会社が治療打ち切りを打診してきます。しかし個人差があるので、すべての人が6ヶ月で症状固定するわけではありません。

Q、医師に痛みがあることを伝えても、カルテや診断書に書いてくれません。また、あまり話を聞いてくれません。

A、転院することをお勧めします。ただいきなり転院するのではなく、あらかじめ医師に転院することを伝え、診断書には「中止」(患者が自発的に治療をやめること)や「治癒」ではなく、「転院」と記載するようにお願いしましょう。
加えて、相手方保険会社にも転院することを事前に伝える必要があります。転院を伝えないと、病院の窓口で被害者が治療費を支払う必要があります。

Q、相手方保険会社の担当者がほぼ毎日電話をしてきます。私は自営業なので、非常に煩わしいです。どうすればいいですか?

A、弁護士に委任してください。相手方保険会社との交渉は弁護士が行います。弁護士から交通事故被害者の方への連絡は、緊急事態や回答期限が切迫しているものを除き、ご希望に沿って電話、メール、FAX,郵便等で行います。

Q、首や腰が痛むので通院にはタクシーを使うつもりです。相手方保険会社は代金を支払ってくれるでしょうか?

A、骨折などで歩行が困難な場合を除き、電車やバスなどの公共交通機関の実費相当分が認められるにすぎません。
具体的な線引きについては弁護士にお問い合わせください。

Q、交通事故被害により病院に入院することになりました。安静にしたいので個室を利用したいのですが、相手方の保険会社は支払ってくれますか?

A、基本的に支払ってくれません。大部屋に入院しても治療の効果は変わらないからです。ただし、大部屋に空室がないという合理的状況や個室を使わなくてはいけないという医師の診断書があれば、個室利用代を支払ってくれます。
もちろん自己負担であれば、個室の利用自体はできます。

Q、治療中に注意することはありますか?

A、治療中に注意すべきことのポイントは次の4点です。
第一に、治療は速やかに始めて下さい。相手方保険会社と連絡がとれないからといって病院に行くのを躊躇するのではなく、いったん立替払いをしてでも病院には行くべきです。
第二に、気になる症状があれば、医師に伝えましょう。交通事故の被害者が子供や介護が必要な高齢者である場合には、医師に痛みなどをうまく伝えられないこともあります。この場合は、周囲の方が医師と被害者のパイプ役になって、症状や痛みを伝えて下さい。
また、医師が痛みや症状をカルテや診断書に記載・入力してくれない場合や、記載内容が事実と異なる場合には、都度確認し医師に申し出て訂正をお願いしましょう。
第三に、相手方の保険会社から送られてきた資料には目を通しましょう。書類の中には、記入の上相手方保険会社に返送しなければいけないものもあります。例えば、同意書に必要事項を記載して返送しないと相手方保険会社は通院先の病院に対して治療費の支払いができません。
第四に、最低でも月に1回は病院に行きましょう。月に1回以上通院しないと、交通事故と痛みの因果関係が証明できません。

Q、病院と接骨院に通っています。接骨院の先生は「まだ続けたほうがいい」と言っていますが、病院の先生は「今月末で症状固定です」と言っています。どうすればいいですか?

A、現在の実務では、医師免許をもった医師の意見が重視される傾向にありますので、医師が症状固定といえば、相手方保険会社は治療を打ち切ります。治療を続けたい場合、交通事故の治療として受け入れてくれる転院先を探す必要があります。なお、接骨院の先生と病院の先生とで判断が分かれる理由の一つとして医学思想の違いが関係しているものと推測されます。端的にいえば、東洋医学には症状固定という概念はありません。

Q、失業中に交通事故の被害にあいました。このような場合でも、休業損害はもらえますか?

A、休業損害とは、ケガや療養のために休業し、または十分に働けなかったことで、現実に収入を失ってしまうことをいいます。無職の場合、そもそも休業して現実に収入を失うということが想定できません。しかし、すでに内定をもらっていた場合や求職活動中であった場合等、交通事故に遭わなければ就労の可能性があったと認められるケースもあります。その場合、無職となる前に得ていた現実の収入等を参考にして計算した休業損害がいくらか支払われる傾向にあります。専門技術的な問題を含んでいるので、弁護士にご相談下さい。

Q、めまいや吐き気などがあるにも関わらず、休業補償を打ち切るといっています。なんとかなりませんか?

A、医師に仕事内容を伝えて、カルテや診断書に休業を要する具体的理由を記載してもらいましょう。医師にこのようなご協力をしていただけない場合,休業損害の支払いを受けることは難しくなりますが、生活が苦しくなるのでとにかく金銭の支払いを受けたいという場合は、加害者側の保険会社に「賠償金(傷害慰謝料)の内払」(慰謝料の一部支払い)を打診してみましょう。

Q、交通事故が原因で会社に出勤できません。休業補償はいつまでもらえますか?

A、むちうちの場合、事故から3か月程経過すると相手方保険会社が打ち切りを通知してくる可能性が出てきます。中には「休業補償を受けたければ、治療は来月末で終了して下さい」と,治療を終了させるための交渉材料として休業損害の不払いをほのめかしてくる相手方保険会社の担当者もいます。
このような場合、まずは証拠づくりが必要です。通院先の医師に「休業の必要性」を記した「診断書」を発行していただくか,休業が必要な具体的理由をカルテに記載していただけるようお願いしましょう。また、通院の継続が必要であるにもかかわらず休業損害の支払いを受けるために通院を終了させるべきではありません。

Q、休業損害の内容と計算方法を教えて下さい。

A、治療期間中における、事故がなければ働いて得られたであろう給料やボーナス等の金額を「休業損害」といいます。そして「休業損害」は加害者側に対し支払うよう請求できます。
休業損害で争いになるのは、①基礎収入の計算方法、②休業日数の計算方法です。
休業損害日額は、通常,事故前の3か月の給与総額を90日で割って、一日当たりの給与を算定します。
以上が一般的な計算方法ですが、例えば、午前中に病院に通院して午後から出勤した場合や自営業の方の場合など、個別具体的な事案については、弁護士にお問い合わせ下さい。

Q、労災を申請しようと思いますが、会社が認めてくれません。どうしたらいいですか?

A、小規模な会社の場合には、事務手続が増えるのを嫌って、なかなか労災手続の協力をしてくれない会社もあります。しかし、ご自身で労基署に行って労災申請をすることもできます。詳しくは弁護士にご相談下さい。

Q、会社を休みました、休業補償はもらえますか?

A、事故によって、会社を休んだ場合には、勤務先に「休業損害証明書」を作成してもらいましょう。そのうえで、同証明書を相手方保険会社の担当者に郵送します。
ただし、休業に対する補償は、医学的観点から考えて、休業が必要であり、また休業の期間や日数も相当であると認められる範囲内に限られます。休業の期間、日数やタイミング、傷病の内容、医師の診断内容によっては、すべての休業について補償を受けられない場合もあります。
詳しくは弁護士にご相談ください。

Q、症状固定とは何ですか?相手方保険会社の担当者が、「治療費の支払いを打ち切りたい」と言っていますが、なんとかする方法はありますか?

A、症状固定とは、治療を続けても大幅な改善が見込めなくなったと判断される時期です。症状固定を診断できるのは、医師免許をもっている医師のみです。接骨院の先生(柔道整復師)や相手方保険会社の担当者に、症状固定の診断権限はありません。
なんとかする前提として、通院先の医師に「症状固定の時期にはない」と,毅然とした態度で相手方保険会社へ対応してもらい,そういった診断をカルテや診断書に残してもらうなどご協力いただく必要があります。現在の通院先の医師にそういった対応が望めない場合は他院へ転院するなどの方法も考えられますが,適切な受け入れ先が望めない場合も多々あります。
詳しくは、弁護士にご相談下さい。

Q、相手方保険会社が治療費を支払ってくれるのは、いつまでですか。

A、通常は、事故発生直後から「症状固定」までの間に発生した治療費については、相手方保険会社が支払います。

Q、弁護士費用特約を利用して、弁護士に頼んだ場合は、等級は下がりますか?
また自己負担はありますか?

A、弁護士費用特約を利用しても等級は下がりません。費用については、弁護士費用特約を利用すると300万円までの弁護士費用を保険会社が支払います。
損害賠償額が概ね1000万円を超えるようになると自己負担が発生する可能性があります。自己負担が発生しそうなときは、弁護士から被害者の方へあらかじめお伝えしております。

Q、どの弁護士に頼めばいいかわかりません。なにかいい物差しがあれば教えて下さい。

A、一つは実績のある分野かそうでないかです。弁護士によっては実績のある分野を持っております。
例えばホームページを見ると、得意分野・実績のある分野が掲載されていますので、ご確認下さい。
2つ目の基準は、人的な側面です。弁護士も人間ですので、話し易いかどうかも重要です。お電話や面談で「この弁護士にならまかせてもいいかな」と思える弁護士にご依頼下さい。

Q、弁護士費用特約(弁護士費用等補償特約の依頼先)に加入しています。加入している保険会社の担当者が,「この弁護士を使って下さい」と言っています。加入している保険会社の指示に従わないといけないですか?

A、保険会社の約款や保険契約書に,「保険会社の指定する弁護士に依頼しなければならない」という規定があれば別ですが,通常は,被害者の方が「この弁護士!」と思う弁護士に依頼することができます。

Q、弁護士に依頼するタイミングはいつがいいですか?

A、タイミングは次の4つに分類できます。第一に、事故発生直後です。第二に、治療中です。第三に後遺障害等級の申請前です。第四に、示談交渉段階です。
このうち、おすすめは事故発生直後です。症状にあった適正な病院選びや通院頻度の段階から経験豊かな弁護士がサポートいたします。治療段階からサポートすることで、後々の後遺障害等級申請において、適切な認定がうけられるように努力します。
また、加害者側の任意保険会社とのやり取りにストレスを感じておられる方の場合,弁護士が窓口になることで,加害者側の任意保険会社とのやり取りでストレスを抱えることなく治療に専念できます。

Q、相手方保険会社の担当者が、「今後の対応は全て弁護士を通じて行う」と言っています。私は被害者なのに、なんだか加害者みたいでイヤです。

A、相手方保険会社は50~100件程度の案件を常時抱えています。そのため、対応困難と判断されれば、弁護士が対応します。
弁護士が出てきたからといってやみくもに恐れる必要はありませんが,相手方弁護士はあくまでも加害者側の弁護士であり、必ずしも被害者の意見を十分に聞いてくれるわけではありません。被害者の方もご自身で弁護士にご相談されることをおすすめします。

Q、相手方保険会社にクレームを言ったら、弁護士にバトンタッチするといっています。意味が分からないので、教えてください。

A、相手方保険会社の担当者は常時50件以上の案件を担当しています。事務処理方針は社内マニュアルで決められており,事務的,形式的に対応します。そのため担当者にクレームを入れたところで,担当者に大きな裁量はなく,対応が変わることはないでしょう。クレームを入れ続けた場合,対応困難案件として,より広い裁量権を持つ相手方保険会社の顧問弁護士が対応窓口として登場してくる場合があります。

Q、相手方保険会社の担当者にカツを入れようと思います。担当者のいる支店に行って、檄文を読み上げたいのですが、恐喝罪になりますか?

A、お気持ちはお察しいたしますが、相手方保険会社の対応に不満だからといって、くれぐれも威圧的な言動をしてはいけません。檄文の読み上げはもっての他であり、刑法犯として処罰される可能性があります。
内なる怒りを治療に転換させ、全力でリハビリに励みましょう。

Q、相手方保険会社のいうことが、コロコロ変わります。どうすればいいですか?

A、相手損保の担当者も,若手の場合は知識や経験が不十分のため,間違った説明や対応をすることがあり,当初の説明と違う展開になってしまうことがあります。例えば,「支払う」と言われていた費用が実際には支払えなくなった,上司の決裁が通らなかったなどが典型例です。
この場合,損保側の矛盾挙動を指摘し続けると,対応困難と考え,被害者の方に落度がないにもかかわらず,損保側の自己判断で弁護士を立ててくる場合があります。

Q、加害者からお見舞い金をもらいました。これは示談金とは別ですよね。

A、損害を補填する趣旨であれば、損害賠償額、示談金から差し引かれる可能性が高いです。具体的な線引きは専門技術的な事項になりますので、弁護士にご確認下さい。

Q、実況見分で気を付けることはありますか?

A、事故から日がたつと記憶が薄れていきます。記憶に基づき、時系列で事故状況を説明することが重要です。あらかじめ、事故発生前後の出来事を時系列順にメモに残しておきましょう。事実と異なる証言をしては(いわゆる嘘をついては)いけません。
警察官は「●●ですよね?」という聞き方をすることがありますが、記憶と異なる場合には、「いいえ、違います」ときっぱりと言うことが重要です。
交通事故直後に、現場において携帯電話等で撮影した写真等があれば、それを警察官に提供するのもよいかもしれません。詳しくは弁護士にご確認下さい。

Q、「実況見分」では何をしますか?

A、車両同士の位置関係や道路状況、スリップ痕の確認等を行います。これらの調査をもとに、警察官が事故現場の図面を作成します。

Q、「人身事故」への切り替えはいつまでにすればいいですか?

A、事故発生から1か月経過すると人身事故として処理しないという警察署もありますが、明確な根拠はありません。弁護士にご相談下さい。

Q、「人身事故」に切り替えたいと警察官に言ったら、いやな顔をされました。どうしてですか?

A、警察官の中には、事務処理が増えるために、「物損事故」から「人身事故」に切り替えることに、イヤな顔をする人もいます。
より具体的には、人身事故として処理すれば当事者と日程調整し、実況見分を行い、その後実況見分調書を作成する必要があります。警察官の中には、このような事務処理をいやがる人もいますが、切り替えを拒否する法律上の権限はありません。粘り強く冷静に対応しましょう。

 

Q、「物損事故と人身事故で請求相手が異なる」旨、相手方保険会社の担当者が言っています。詳しく教えて下さい。

A、結論から言えば、物損事故の場合、人身事故とは異なり、加害車両の所有者等の保有者には賠償責任がありません。例えば、加害者が加害者の友人の車を運転して引き起こした物損事故であれば、被害者は加害者の友人に責任追及できません。
ただし、加害者が勤務する会社の車を使って、勤務中に運転して物損事故を起こした場合には、会社に対しても責任追及ができます(民法第715条の使用者責任)。

 

Q、現場検証をした際に、警察官から「物損事故」として処理すると言われました。
物損事故とは何ですか?

A、交通事故には、物損事故と人身事故があります。人身事故とは、交通事故が原因と考えられる傷病(特に多いのは、首や腰の痛み、手の痺れ、頭痛、吐気などむち打ちの症状です)により、通院を余儀なくされた事故をいいます。怪我をしなかった場合は物損事故となります。
怪我をした場合であっても,人身事故として届け出を行わなければ、警察において物損事故として処理されます。この場合でも、加害者の任意保険会社が、治療費の支払いに対応するケースが多々あります。
ただ、警察において物損事故として処理されている場合,軽微な事故扱いになる可能性があること,実況見分が行われないことなどから、過失割合に争いがある場合は特におすすめできません。医師の診断書を持参して、人身事故に切り替えるよう警察署に行くとよいでしょう。

Q、人身傷害保険以外に、被害者が使える保険はありますか?

A、搭乗者傷害保険、無保険車傷害保険などがあります。
搭乗者傷害保険とは、「被保険者自動車の運行による事故で、その自動車に搭乗していた人が死傷した場合にあらかじめ定められた保険金が支払われる保険」です。
ただし、金額は少額ですので、過度な期待をしないほうがいいでしょう。
無保険車傷害保険とは、「自賠責すら加入していない無保険車の自動車によって起こされた事故によって、被保険者(被害者)が死亡したり、後遺障害を負ったりした場合に一定の保険金が支払われる保険」です。
この保険は、死亡や後遺障害等級認定された場合のみ支払われます。

 

Q、人身傷害保険について教えて下さい。

A、人身傷害保険とは、「被保険者(家族なども含みます)が人身傷害事故の結果、障害を負ったり、死亡したりした場合に保険金が支払われる保険」です。
例えば、加害者が無保険(自賠責すら加入していない)の場合に、被害者が加入している人身傷害保険から治療費が支払われます。

Q、加害者が自賠責しか加入していませんし、加害者の懐に十分な余裕があるとは思えません。どうしたらいいでしょうか?

A、加害者が自賠責に加入しているのであれば、治療費120万円までは自賠責が支払います。治療費が120万円を超えた場合には、加害者が支払います。また、物損(車の修理代や代車代)は自賠責の対象外ですので、これも加害者が支払います。
ただし、加害者に十分なお金がない場合には、被害者が加入している保険を利用するのもよいでしょう。まずは、加入しているすべての保険を調べ、使えそうな保険があれば、保険会社に電話で確認するのもいいでしょう。
例えば、「人身傷害保険」という保険に加入していれば、人身傷害事故(ケガや死亡した場合に)において保険金が支給されます。

Q、加害者は任意保険に加入していますが、「等級が下がるのがイヤだ」と言っています。どうすればいいですか?

A、このような場合には、加害者加入の自賠責に対して、1治療費、2休業損害、3障害慰謝料を請求できます。ただし、金額は無制限ではなく1~3をすべて合計しても120万円までです。
なお、任意保険の等級が下がると、保険料が増えるので嫌がる加害者もいます。個別具体的な事例は弁護士にお問い合わせください。

Q,加害者が加入している保険には自賠責保険と任意保険があるようですが,違いがよくわかりません。

A,自賠責保険は強制保険であり、必ず入らなければなりません。ただし、この保険は「被害者が最低限度の補償を受けられる」ようにするための保険であり、保険金は最低限度しか支払われません。

例えば、自賠責保険の場合,傷害部分(治療費や休業補償,傷害慰謝料等)は120万円までであり、後遺障害部分は認定された等級に応じて4000万円~75万円までしか支出されません。また、対人賠償のみで,対物賠償は対象外です。

任意保険に加入するかどうかは任意ですが,現在のところ大多数の運転者が加入しています。

示談の際には,相手方保険会社が自賠責保険の分まで一括で示談金を支払います(任意一括払といいます)。その後相手方任意保険会社は,相手方自賠責保険会社から,自社が立て替え払いをした自賠責保険分について支払いを受けます。

 

Q,任意保険会社から「加害者には連絡しないで下さい」と言われました。どうしてですか?

A,保険制度が関係しています。我が国の多くの運転者は,任意保険に加入しています。多くの任意保険には,加害者にかわり示談代行を行なう「示談代行サービス」がついています。このサービスにより,交通事故に詳しい保険会社の担当者が,加害者の代理人として交渉を代行します。

もっともこのサービスにより,加害者意識が薄れてしまい,被害者からすれば「お見舞いの一言」や「謝罪」,「誠意」が感じられないといった不満につながります。

 

Q,交通事故被害に遭った当日,加害者が「私の加入している任意保険会社に治療費を支払わせる。」と述べたのですが,任意保険会社から連絡がないので,病院に行っていないです。立て替え払いするもイヤなので,このまま行かなくていいですか?

A,けがをした場合は必ず病院に行って下さい。確かに,いったん治療費を立て替えることになりますが,交通事故被害に遭ってから通院開始までの期間があくと,治療すれば治ったものも治らなくなりますし,交通事故と怪我との関連性(因果関係)を否定され,治療費を含め,一切の賠償金を受け取ることができなくなります。

 

Q,加害者の態度が不満です。事故当時から「ごめんなさい」の一言もありません。謝罪させるにはどうしたらいいのですか?

A, 残念ながら,加害者に謝罪を直接的に強制させる法律は日本には存在しません。

しかし,以下の方法で態度を改めさせることができます。

第一に,刑事裁判です。検察官に刑事裁判を進めてもらうためには,人身事故の届け出をする必要があります。この届出がなされている場合は,交通事故証明書に「人身事故」と表記されます。「物損事故」としての届け出となっている場合,刑事裁判は行われませんので,医師の診断書を持参の上,警察署に行って「人身事故」に切り替えるようにしましょう。

その上で,刑事裁判において,加害者が謝罪をせざるを得ないような状況を作り出し,間接的に反省を促します。

第二に,民事裁判です。交通事故被害により重度の後遺障害が発生した場合や,過失割合に争いがある事案においては,民事裁判の場において謝罪を促すような尋問を加害者が行うこともできます。もっとも,強制的に謝罪させることはできません。

 

Q,事故から示談金支払いまでの流れは?

A,以下の流れになっています。

交通事故の発生直後

①加害者の連絡先の確認

②警察への連絡

③病院へ行く

 

1, 病院へ行く

治療を受ける

①完治

または,

②症状固定(これ以上治療を続けても,大幅な改善が見込めなくなったと判断される時期で,医師免許をもった医者のみが診断できる)

 

2,症状固定

後遺障害等級の申請

加害者側の保険会社との示談交渉開始

治療費や傷害慰謝料など「損害額」の計算

金額を明示した「示談案」を提示して交渉

①「示談書」を作成し,示談成立

または,

②ADR機関の利用,裁判や調停

 

3,ADR機関の利用、裁判や調停

和解または判決

金銭の支払い

Q,   慰謝料とは?

A,   慰謝料とは、被害者が受けた精神的苦痛に対して填補される損害賠償金です。

交通事故における慰謝料には、大きく分けて3つの種類があります

まず1つめは、交通事故に遭った結果、交通事故の被害者の方が亡くなってしまったという場合に認められる「死亡慰謝料」です。次に2つめは、交通事故被害者の方が傷害を負い、その治療のため、入・通院を余儀なくされた期間について認められる「傷害慰謝料(入・通院慰謝料ともいいます。)」です。最後に3つめは、傷害を負った交通事故被害者の方が治療を受けたものの、後遺障害が残ってしまった場合に認められる「後遺傷害慰謝料」です。

慰謝料は、精神的苦痛を金銭的に評価したものですが、その苦痛の度合いを個人個人によって感じ方が違う側面があり、これをすべて金銭で評価することは極めて困難です。そのため、交通事故損害賠償の保険実務や裁判実務では、裁判例の集積の結果定められた一定の基準をもとに、個々の交通事故の慰謝料を算定するという扱いが用いられております

なお、物損事故の場合、どんなに愛着のある車や物品の損害についても、残念ながら、その物品の経済的な被害額を超えて慰謝料が認められることはありません(東京地判平6年6月17日)。

 

 Q,  死亡慰謝料とは?

A,   死亡慰謝料とは、交通事故に遭った結果、交通事故の被害者の方が亡くなってしまった場合に認められる慰謝料です。被害者の方の慰謝料は、遺族の方々が相続することになりますので、実際にご請求されるのは交通事故被害者のご遺族の方々ということになります。
なお、被害者の方ご本人の死亡慰謝料のほか、近親者の方々個人として、死亡した方の近親者の慰謝料があります(民法711条)が、最終的な総額は、この請求費目を計上するか否かで異なる扱いはされないとも言われております(例えば、東京地裁交通部の運用は、異なる扱いをしないと考えられております。)。

 

交通事故被害者の方が死亡した場合の精神的苦痛がどの程度かについて、裁判実務や保険実では以下のとおり一定の基準が設けられており、これをもとに、個別の事案に応じて損害額の増減が調整されます

 

死亡した方の立場

一家の支柱   2800万円
母親、配偶者  2400万円
その他       2000~2200万円

 

このような運用となっているのは、死亡慰謝料を金銭評価するにあたって法律上何らの定めもされておらず、死亡といういわば究極の精神的苦痛を金銭評価すること自体が極めて困難であり、個別の事案ごとに別々の裁判官によって金額判定する扱いとなると、事案によって大きな不公平が生じてしまいかねないからです。

 

死亡慰謝料の増額にあたって考慮される事情は事案によって様々です。加害者側に実際に死亡慰謝料の増額を認めさせるにあたっては、過去の裁判例で増額の事情として考慮された事情と類似する事情を、個別の事案ごとに拾い集めていく必要があります。

 Q,   傷害慰謝料とは?

A,   傷害慰謝料とは、交通事故被害者の方の受けた傷害が治癒するか、または症状が固定するまでの期間、傷害の症状に悩まされたり、入院や通院を余儀なくされたり等の精神的苦痛に対するてん補として認められる慰謝料です。
日本の民事における法律では、精神的苦痛を金銭的に評価して賠償金として加害者に支払わせる制度が採用されておりますが、法律上、精神的苦痛をどのように金額的に計算するかは定められておりません。そのため、過去の裁判例の集積を総合した一定の金銭評価基準が有識者の協議の元で作成され、裁判実務は、この基準によって慰謝料を算定する運用が定着しております。
法律文献上、傷害慰謝料は、その内容、程度、治療経過、被害者の方のご職業や生活に生じた現実の不都合、事故の態様等を総合的に考慮して判断されると述べられておりますが、実務で慰謝料算定の基礎となる大きなポイントは2つです。1つは、傷害の内容が、骨折などの明確な他覚的所見によって確認できるか否か、もう1つは、治療を受けていた期間と治療を受けた実際の日数が何日かという点です。傷害の内容が明確な他覚的所見で確認できない場合、慰謝料算定のベースが、確認できる場合に比べ、20~30%落ちます。また、治癒や症状固定までの治療期間が長いほど慰謝料額は増額されますが、治療期間としてカウントされるのは、治療を受けた実際の日数の概ね3倍までとされております。ただし、傷害の内容が重いなど、個別の事情によっては、これら2つのポイントを基礎として算定された慰謝料額が増減されることがあります。

 

Q,   後遺障害慰謝料とは?

A,   後遺障害慰謝料とは、交通事故被害者の方が治療を受けたものの後遺障害が残ってしまった場合、その精神的苦痛を填補するために認められる慰謝料です。
後遺傷害慰謝料は、後遺障害による精神的苦痛を金銭的に評価したものですが、法律上、金銭的な評価をする方法は定められておりません。そこで、一定の基準が有識者の協議の元で作成されており、裁判実務では、概ねこの基準に沿った後遺傷害慰謝料が認められる運用となっております。
ただし、同じ後遺障害等級であっても、その内容、程度、治療経過、被害者の方のご職業や生活に生じた現実の不都合、年齢、性別、事故の態様等によって、後遺傷害慰謝料の金額は、基準額から増減されることがあります。また、歯牙障害や外貌醜状などで、仕事への影響がなく、労働能力の喪失による損害(後遺障害逸失利益)が発生しないと言われてしまうようなケースの場合、代わりに後遺傷害慰謝料が一定程度増額されるというケースもあります。

 

 Q,   親族の慰謝料はどこまで認められますか?

A,   親族の方の慰謝料がどこまで認められるかという問題は、交通事故被害者の方の怪我の程度と、親族の範囲の2つに分けて考える必要があります。この2つの条件を満たす場合には、近親者の慰謝料が認められます。
まず、交通事故被害者の方の怪我の程度ですが、死亡の場合に近親者の慰謝料を認める法律があります。しかし、裁判実務では、この法律をもう少し広く解釈し、被害者の方が死亡した場合に匹敵するような精神上の苦痛を受けた場合についても、近親者の方の固有の慰謝料が認められております。
次に、親族の範囲ですが、父母、配偶者、子については慰謝料を認める法律があります。しかし、裁判実務では、この法律をさらに広く解釈し、被害者との間に、父母、配偶者、子と実質的に同視できる身分関係が存在すれば(例えば内縁関係等)、近親者として固有の慰謝料が請求できるとされております

 

 
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