高次脳機能障害

 

はじめに

交通事故で頭部に外傷を負い、直後意識障害が発生した被害者の方は、高次脳機能障害を 負ってしまった可能性があります。
そのような被害者の方、もしくはご家族の方は、早期に、的確な専門医にかかりつつ弁護士にご相談されることをお勧めします。

また、ご家族から見て、交通事故後、被害者の方に当初意識障害が発生し、以下のような人格変化が生じている場合は、高次脳機能障害が発生している可能性が疑われますので、注意が必要です

記憶(学習)障害

例)新しいことを覚えられない、前にやったことをすぐ忘れ同じことを繰り返してしまう、物をどこかに置き忘れいつも何かを探している等

注意(集中力)障害

例)1つのことに集中することができなくてすぐ中断してしまい作業を長続きできない、周囲の声や音や動きにすぐに気がいって注意がそれてしまう等

遂行機能(問題解決、抽象的思考)障害

例)手順を一つ一つ丁寧に説明されないと行動ができない、状況に応じ優先順位をつけた行動ができない、物事を順序立てて実行できない等

社会的行動

例)過度に人に頼る(依存性)、幼稚になる(退行)、すぐに怒ったり笑ったりする、欲しい物を我慢できなくなる(感情や欲求のコントロールの低下)、人間関係を維持・構築することが下手になる(コミュニケーション障害)、些細なことに過度にこだわる(固執性)、自分から行動しようとすることができず促されないとすぐやめてしまう(意欲や発動性の低下)等

これらのような症状は、今後の社会生活に大きな影を落とす深刻なものですが、どれだけ被害者の方やご家族がご苦労されているかということについて、周囲からの理解がなかなか得られず、より被害者の方やご家族の生活が追い詰められてしまいます。

高次脳機能障害は、交通事故を取り扱った経験がある弁護士であっても、後遺障害等級の認定が難しいとされる分野です。
なぜなら、例えば大事故の場合、まずは命が助かって良かったとの思いから、高次脳機能障害による微妙な人格変化が見落とされがちであり、病院における看護のもとでは十分生活ができていたものの、社会復帰してから症状があらわれるというケースが多々見られます。
また、画像所見において、脳出血や脳挫傷などのあとの明確な脳損傷が認められない脳室拡大や脳萎縮については、慢性期の脳画像フィルムばかりを丹念に見ても気づけないため、医療現場でも見落とされやすいとされております。

そのため、事故後、早期の段階から、高次脳機能障害の等級認定に関与した経験がある弁護士に相談し、的確な専門医にかかり、検査を受け、後の自賠責保険における後遺障害等級の認定に必要となる継時的な画像撮影、画像所見、医療記録を残していくことがよりお勧めであるといえます。

 

高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは、脳損傷による認知機能の障害の総称です。脳の器質的病変が原因で、脳の疾病(脳血管障害等)によっても発生しますが、交通事故による頭部外傷でも発生します。
その結果、日常生活や社会生活に多大な支障が生じます。
その主な原因は、既に述べた記憶障害であり、これは、学習障害、注意障害、遂行機能、問題解決、抽象的思考障害、言語障害、視空間認知機能の障害です。

これらの障害による支障は、病院における看護のもとでは症状があらわれにくいです。特に、大事故に遭ったものの命が助かったという場合、病院としても、まずは外傷の治療に専念することとなりますので、見落としがちです。
また、家族も命が助かった安心感から、微妙な変化に気が付きにくいといえます。
ご本人としては、今までできていたことができなくなったということに対する思いはありますが、それが高次脳機能に傷害を負ったことによる影響であるという理解がしがたく、自覚しにくいところです。

その結果、肉体が回復し、社会生活へ復帰したところで社会生活上様々な支障が発生します。
このような状況下でご家族がその微妙な変化に気が付いた時に病院を受診しても、受傷当初の所見や検査が不十分な場合、はたして高次脳機能障害か否かという診断が難しく、仮に高次脳機能障害と診断されても、自賠責保険における後遺障害等級の認定審査に耐えられるだけの資料が収集できるか、という問題があります。

  0466-53-9340
メールでのお問い合わせはこちらご相談の流れはこちら