自賠責保険において,事故と死亡との間の因果関係を否定され一切支払いを受けられなかったものの,異議申し立てにより自賠責保険から保険金が支払われた事例

依頼者:遺族(被害者は80代女性)

後遺障害内容:死亡事案

 

賠償項目

ご相談前 獲得額

増加額

本人慰謝料 0万円 281万円 281万円
遺族慰謝料 0万円 175万円 175万円
逸失利益 0万円 325万円 325万円
葬儀費 0万円 50万円 50万円
合計額 0万円 831万円 831万円

※因果関係判断困難事案として50%減額された金額です。

 

1 相談・依頼のきっかけ

当初,自賠責保険は,死亡診断書を根拠に,既往症による死亡であるため,交通事故と死亡との間の因果関係を否定しました。

そこで,自賠責保険への異議申し立てを行うべく,依頼をお受けしました。

2 異議申し立てに向けたフォロー

カルテを分析した結果では,既往症による死亡と断定できないと考えられました。また,被害者の方が生前通院していた別の病院の医師と面会したところ,同様の見解をいただきました。

そこで,この別病院の医師に意見書の作成などのご協力をいただき,意見書をもとに死亡診断書を作成した医師サイドと協議を行いました。その結果,死亡診断書を作成した医師も,結局のところははっきりした死因が不明であり,自賠責の判断は自分の見解とは違うと述べてくれるに至りました。

その後,自賠責保険へ異議を申立て,自賠責事務所から病院への調査に対し,死亡診断書を作成した医師から,ご自身の上記見解を明確に回答していただきました。その結果,自賠責保険は,交通事故と死亡との間の因果関係は判断困難であると結論付け,因果関係が認められた場合の半額の保険金が無事支払われました。

※詳しくは冒頭の表をご覧ください。

 

3 弁護士の所感・解決のポイント

重篤な後遺症が残った事案や死亡事案では,直接の診察にあたった医師が自身の責任を追及されるのではないかと誤解し,十分な協力を得られないケースもあります。医療訴訟の現状を理解した弁護士による適切な対応を通じて医師の誤解を解き,協力を得ることが重要です。

また,交通事故と死亡との間の因果関係が立証できないため,加害者に損害賠償請求できないケースでも,因果関係が「不明」な場合であれば,自賠責保険が,総額の半額の保険金を支払らってくれます。死亡事案の場合は保険金額が大きいので,半額であっても上記のように比較的大きな金額になります。このことは,交通事故事案に慣れていない弁護士ですと,当初見落としがちです。

医療の現場と自賠責実務を理解していることの重要性に改めて気づかされる事例でした。

 
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